転職先を見つける前に退職した場合にすぐやるべきこと

 勤めていた先がブラックだったり、ハラスメント行為にこれ以上耐えられなかったり、やむを得ない事情で退職してしまった場合、今回の記事を参考としてください。

 あなたの人生です。あなたらしく生きることが大切です。無理・我慢をして心身を壊してしまっても、会社は何もしてくれません。仕事よりもあなたの命の方が大切です。あなたが健康でいることの方が重要です。家族には心配や気苦労をかけてしまうかもしれませんが、あなたの命が失われることの方がもっと迷惑をかけてしまいます。

 今の日本では、何とかなります。ですから気持ちを切り替えて、次の職探しを始めましょう。でも、その前に面倒くさい手続きをきちんとやってください。これは早ければ早いほうがいいです。私が経験してきたことをもとに今回説明していきますので、参考にしていただけますと幸いです。

健康保険証をどうするか

 健康な人で病院にはここ1年行ったことがない人にはピンとこないかもしれませんが、とても重要なことです

 虫歯が急に痛みだしたらどうしますか?コロナに罹患したらどうしますか?交通事故にあって怪我をしたらどうしますか?

 これらは、いつ発生してもおかしくないですよね。日本の健康保険制度というのはアメリカにはない、とても素晴らしい制度です。

 大半の人は、健康保険組合協会けんぽの保険証を持っていると思います。国民健康保険の人は、零細企業か自営の方だと思いますので、このセンテンスについては関係ありませんが、これを読まれている殆どの人は必ず退職する前にどうするのかを決めて下さい。

 既に転職先が決まっている人は、次の会社で入社手続きをすれば新しい保険証が2週間程度で貰えると思います。

 しかし、いったん退職して無職となった場合、次の就職が決まるまで保険証を持たないというのはリスクがありすぎます。

 なかには、そのような人もいますが、おすすめしません

次の三つのうちのいずれかを選択することになります。

家族の扶養に入る

 配偶者や同居している家族が勤めている企業に確認してみて下さい。それぞれ扶養家族として健康保険に追加する場合の条件が違っております。もし、これが出来るのであれば、費用的にも一番良いですね。

退職する会社の健保組合に「任意継続」をする

 2か月以上勤めていれば、退職後もだいたい2年間は、その健保組合に個人で加入することが出来ます。ただし、勤めていた時は健康保険料の半分は会社が負担していたので、退職後は全額を支払わないといけません。手続きは自分で行わなければなりません。しかも退職後2週間以内です。任意継続をするには退職する会社から書類を発行してもらわないといけませんので、退職届けを出したら、担当部署(人事・総務)へ任意継続の旨、きちんと伝えるようにしてください。

国民健康保険に加入する

 こちらは退職後、役所に行って手続きをすることになります。その際に、退職証明書を会社から発行してもらう必要がありますので、事前に依頼する必要があります。ただし、殆どの会社は退職日以降に発行することになりますので、いつ発行してもらえるかをきちんと確認しておいた方がよいかと思います。用紙は役所のホームページにあるものを参考としてみて下さい。また、役所で手続きする際、保険証が郵送されてくるまでの間に病院にかかっても大丈夫なように「受療証」を発行してもらって下さい。窓口で言えば、対応してもらえるはずです。

 なお、会社都合(つまりリストラ等)の場合、国民健康保険料が免除若しくは減額される可能性がありますので、詳しくは役所で確認してみて下さい。

 役所に行って、国民年金についても手続きが必要になります。今までは会社で給与から天引きされていた厚生年金保険料というものが、国民年金保険料として支払わなければいけません。ただし、こちらは免除制度があります。会社都合での退職でなくとも自己都合退職の場合でも保険料の支払い免除がわりと簡単に認められます。ただし、免除期間は7月から翌年の6月までの1年間をひとつの申請となっているので、退職時期が5月とか6月の場合は、6月までの申請と7月以降の申請の2回提出する必要がありますので注意して下さい。

 今は、マイナンバーカードがあれば、電子申請で簡単にできます。退職した会社の離職票または退職証明書があれば、電子申請して約1か月で承認がおります。

月末退職でない場合の注意点

 月末退職の場合は問題ありませんが、月中に退職した場合、その月の年金分が厚生年金保険料として給与引去りされているかと思います。しかし、年金は月末時点のものなので、退職した日が月末でない場合、国民健康保険になります。つまり、会社での引去り分は返してもらわないといけません。これがとても面倒なんですよ。

 ルール上、会社がいったん社員から保険料を徴収し、年金事務所へ納めます(これを「同月得失」といい、いったん控除することになっています)。年金事務所は、あなたが月末時点で退職済だと確認出来たら会社に保険料の返還をします(厚生年金保険法第19条第2項ただし書)。これが半年くらいかかります。その時に年金事務所から会社宛に本人徴収分も会社に返金するので、個人へ戻してあげてねという文書を通知します。

 しかし、会社が退職者のためにその分を返金するとは限りません。きちんとした会社であれば、安心ですが、上場会社であっても担当者の知識不足等で、放置する場合があります。

 数万円の話なので、会社としては雑収入として処理しちゃえば、それで終了となってしまいます。でも、個人で数万円は痛いですよね。

 きちんと会社に退職する時にひとこと言いましょう。出来れば、退職時の精算時に引去り分を先に戻して欲しいと交渉してみるのもありです。

退職日の翌日に行くべき場所(無理なら一日でも早く)

 これは、ハローワークです。とにかく退職日の翌日か、それが無理なら1日でも早く行って下さい。失業保険をもらうには、ハローワークで手続きをした日が起算日となります。

 自己都合退職の場合、基本的には待機期間といって、23か月は失業保険がもらえません。

これ、退職日からではなく、ハローワークで手続きをした時からになります。つまり、退職して1か月ほどゆっくりして、それから転職活動をおこないつつ、ハローワークにも行こうかと思っても、失業保険が貰えるのは、そこから更に23か月後となってしまいます。

 すぐに転職先が見つかれば、失業保険をもらわないかもしれませんが、すぐに見つかるという保証はありませんよね。ですから、まずはハローワークにすぐに行きましょう。

 ただし、退職日の翌日だと会社から離職票を貰えていない場合が殆どだと思います。それでも大丈夫です。離職票がない場合、「仮手続き」をしたいと言って下さい。そうすれば、手続きをしてもらえます。書類がそろっていなくても実は大丈夫なんです。

 さらに、失業保険を貰わなくても、失業給付期間(つまり23か月の待機期間を経て失業保険金を貰える期間が90日~150日間あります)の3分の1以上残して再就職した場合、再就職手当金というのが結構な金額で貰えます。

 日本というのは、本当に弱者に対してのセーフティネットがきちんと出来ているなと気付かされます。とにかく、最寄りのハローワークに行くと丁寧に教えてくれますので、退職日の翌日に行くようにして下さい。出来れば、その足で役所にも行って、年金(と、必要な人は健康保険)の手続きをして下さい。

(参考)関連動画

(出典 Youtube)

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